ブリーディングについて
第1回
最近、オオクワガタは環境破壊や乱獲によりほとんど採取しづらくなりましたが、人工養殖が近年盛んになり、 飼育方法についても研究され、ポイントさえつかめば誰にでも簡単に飼育、繁殖ができるようになった。
それでは、ブリーディングがしたいと思ったら、まず次のものを用意してください。
「飼育ケース、産卵材、埋め込みマット、エサ皿、昆虫ゼリー、成虫になってから4ヶ月以上経過したオスとメス」。これらはすべて、昆虫専門店、ホームセンターなどで購入できます。
第2回
次にセットの仕方についてですが、特大ケースに水を張り、産卵材を完全に水没させる。(約6〜24時間)
その後、産卵材を引き上げ、30分程度水切りをする。
特大ケースの底に2cm程度、湿らせたマットを敷き、その上に産卵材を寝かせて入れる。
ケースと産卵材の隙間を埋め込みマットで埋め、産卵材を見えなくする。
中央にゼリーを入れたエサ皿を置く。
オスとメスを入れ、セット完了です。置く場所としては、温度変化が小さく、薄暗いところがあれば最適です。
第3回
幼虫の取り出しについて
セットしてから 約2ヶ月半から3ヶ月までに産卵材を取り出し、慎重に産卵材を手で割る。(手で割れない場合は、ナタ等で慎重に産卵材の端から割っていく。)
卵が出てきた場合は、小ケースに加水した幼虫マットを入れ、羽化を待つ。
幼虫飼育について
先ず、幼虫用飼育ケースに加水した幼虫マットを詰め、上からすりこ木棒などで強く押し固める。
8割程度入ったところで、中心に2cm程度のくぼみをつけ、そこに幼虫を入れる。
ケースとふたの間にティシュペーパー1枚をはさみ、ふたをする。
幼虫の保管場所としては、暗くて静かな場所に保管する。
第4回
幼虫をより大きく育てるポイント
- 取り出し幼虫は、できるだけ初令幼虫を使う。
- 飼育温度については、マット飼育の場合、かなりの温度幅で飼育でき、15℃〜25℃の範囲で飼育することで大きく育つ。(特に19℃〜23℃がもっとも良い。)
<裏技>
11月から3月までは、どうしても部屋の温度を保つことが困難な場合、できるだけ部屋の上のほう(天井に近いところ)に棚を作り、そこに幼虫を保管する。 - 幼虫のエサ交換は、3ヶ月に1回は交換した方が良い。
ただし、幼虫によっては3ヶ月エサが持たない場合もありますから気をつけること。
第5回
幼虫のオス、メスの判別の仕方
1令幼虫の後半になれば、メスの場合下から2節目に黄色い点が2個見えるようになります。
これが卵巣マークですので、確率的にはほぼメスに間違いありません。
オスについては、マークはありません。
オス、メスの判別ができれば、より効果的なエサ交換によりサイズを大きくする可能性も膨らんできます。